• 1885年、イギリス・ダービーのペアツリーロードにロバート・ブリュースター・ニューボールドが服の製造、販売を目的として工場とショップを開いた。
    ニューボールド氏は、ユニークな人物だった。彼はエンジニアの教育を受け、その道の仕事に就いていたが、写真についても当時の新しい技術の先駆者であった。
    彼の地元では、彼が行うランタンのスライドショーが有名で、町のホールに満員に集まった人々にダービーのイメージを見せていた。

  • 当時、服作りに使われていた機械は、ミシンとアイロンを除いては発明されたばかりで、ニューボールド氏のエンジニアとしての技術は非常に貴重であった。
    カッティングテーブル、原反を巻きつけるロッド、それを機械に取り付けるプラケット、ロッドからテーブルに布を広げるときに押えておく
    機械(バンドル、プレス)、その他必要な道具は、ニューボールド氏がデザインし、工場内の作業場で作られた。

  • 1900年代に入り、工場の生産品目は拡大し、炭鉱夫の作業服、軍服、警察、消防、救急隊のユニフォームなども作るようになった。
    近年では、シャツ作りを専門とし、70年代始めに、当時独立したばかりだったイギリス人のデザイナー、ポール・スミスと深い関わりを持つようになった。

  • 1990年、R.ニューボールド社は倒産の危機に陥った。そのときオーナーは、ポール・スミスを名指しでニューボールド社の買収を依頼した。
    なぜなら彼らは、ポール・スミスが人間として、会社として、紳士的で責任感のある態度で彼等に接してきたと感じていたからだった。
    加えて、ポールならニューボールドの潜在的魅力とスピリットを理解し、イギリスの服作りの偉大な伝統に再び息を吹き込んでくれると確信していた。

  • ポール・スミス社は、このプロジェクトのあらゆる点を現代的視点で捉え、現代のお客様にマッチし、アピールする服を作るための、デザイン的要素を加えていた。
    ニューボールドブランドは、過去百年間にわたるイギリスの服作りに影響を受けた、次の三つのカテゴリーにグルーピングされている。

  • 海軍のリーファージャケット、軍隊や警察、消防、救急などのユニフォームのために作られた服からなる、サービス。
    20世紀初めに炭鉱夫や港湾労働者、工員などが着ていたような、オーバーオール、ブリーチトラウザースなどワークウェアセクション、
    そして20年代から30年代に作家やアーティストたちが着ていたような、ツイード、ポプリンのストライプシャツ、Vネックニット、などの
    ブリティッシュ・アルチザンスタイル。

  • 現在のR.ニューボールドは、ワークウェアやサービスのルーツを継承し、
    英国のアルチザンルックからインスパイアされたコレクションに現代技術を駆使した素材やモダンさをミックスしている。
    残念なことに、シャフツベリーの工場で作られていたR.ニューボールドはもう存在しないが、
    そのスピリットは今もまだポール・スミスの手によって生きている。